エステは開業すると儲かる?脱毛サロンの「開業」から「経営」まで、その秘訣を解説します!
昨今、また徐々に需要が高まってきているエステサロン。
矢野経済研究所の調査によると、2019年度の市場規模は事業者売上高ベースで3,602億円の見込み。4年間増加を続ける結果となっています。
その需要に合わせて、エステティシャンとしてのキャリアの有無にかかわらず開業を考えている方は多いのではないでしょうか。
とはいえ、実際にエステサロンを経営するとなると年収はどの程度になるのか、
また利益を上げていくにはどのように開業・経営をすればいよいのか、というのは気になるポイントのはず。
そこで今回は、「儲かるエステサロン」を開業・経営するための秘訣を解説していきます。
エステサロンって儲かるの?
エステサロンの開業が多い理由の一つとして、「資格・免許がいらない」というのが挙げられます。
エステサロンとして成功を収めている店舗もあれば、乱立とも言える状況のため儲からない店舗もあります。
たとえば、社員として雇われたエステティシャンの一般的な平均年収は「300〜400万円程度」と言われています。
これはあくまで「雇われた」エステティシャンのモデルケースであり、実際に自分でエステサロンを経営するとなると、得られる年収はピンキリ。
働き方や経営する店舗数などにもよりますが、年収が1,000万円を超えることも多くありますし、成功している経営者では数千万の規模にのぼることも。
とはいえ、経営戦略がうまくいかなかったり、あるいは家事や育児を優先した小規模経営であれば、300万円を切ってしまうことも十分あり得えます。
では、自分でサロンを開業・経営するにあたり、利益を出していくためにはどうしていけば良いのでしょうか。
開業の秘訣は「店舗の場所選び」にある
エステサロンを開業するにあたって重要になるのは、お店を開く場所です。主に、
- 自宅で開業する
- テナントで開業する
この2パターンがあります。
また、中には「出張サロン」という形態をとっている人もいるので、「開業しよう!」と決意したら、開業する場所についてよく考えてみましょう。
自宅で開業するかテナントを借りて開業するかによって、かかる費用も変わってきます。
このセクションでは、場所ごとに営業を行うメリットとデメリットを紹介していきます。
自宅で開業する場合
「自宅でサロンを開業しよう」と決めた場合、物件探しの手間は省けます。
しかし、お客様がエステに求めているものは、技術やサービスだけでなく、リラックスできる空間であるということを忘れないようにしてください。
自宅特有の生活感が極力お客様へ伝わらないよう配慮し、お客様が心身ともにリラックスできる雰囲気づくりを意識しましょう。
自宅でサロンを開業するメリット
1.家賃がかからない
持ち家などがあれば、サロンを開業するための初期費用や家賃はそれほどかかりません。
勤務先を分けることによってかかる維持費も大幅にカットすることができます。
2.移動費がかからない
自宅で開業する場合、店舗に出勤・退勤をする必要がなくなるので移動費がかからなくなります。
3.時間の余裕・精神的な余裕が生まれる
本来、店舗まで移動するぶんの時間を仕事に割り当てることもできるので、時間の余裕も生まれます。
また、満員電車に乗ったり、車を運転したりといった小さなストレスからも開放されるので、精神的な余裕も得られるのが大きなメリットです。
4.自分のペースで仕事ができる
私生活の範囲内に仕事場があるので、オープンの時間・クローズの時間などに融通をきかせながら働くことができます。
自宅でサロンを開業するデメリット
1.生活感がお客様に伝わってしまう
自宅で開業するとなると、多少なりともそこに住んでいる人の「生活感」はどうしても出てきてしまいます。
その影響で「他人の家に上がるときの緊張感」をお客様に与えてしまいかねません。
2.「空間作り」に細心の注意を払わなければいけない
自宅サロンは、テナントでサロンを運営する場合よりも「空間づくり」に力を入れなければなりません。
できるだけ細かい部分まで気を配り、お客様にとって安心できる空間づくりを目指しましょう。
例えば、
- 入り口から入ってすぐのところにアロマを焚いてみる
- 部屋の明かりを間接照明のみにしてみる
- 施術室にハーバリウムの詰まった木棚を置いてみる
- 廊下の壁に無地の麻や木綿生地を垂らしてみる
など、様々な工夫ができます。
工夫次第では唯一無二のリラックス空間を作り上げることができるので、試行錯誤しながら素敵な空間づくりしてみてください。
3.プライベートな空間が保てなくなる可能性がある
経営は何事もお客様ありきです。サロンも例外ではなく、お客様にいかにリラックスしてもらうかを常に考えなければなりません。
だからと言って、広々とした店内の空間を確保するために私生活のスペースをギリギリまで圧迫してしまっては自分自身がリラックスできなくなってしまいます。
仕事空間・居住空間の両方に気を配らなければいけないため、デメリットになる場合もあります。
4.宣伝や住所公開のしづらさがある
売上を上げるためには、宣伝や店舗住所の公開などが必要不可欠です。
自宅サロンの住所や電話番号などは、やはり個人情報でもあります。
それを公開するのは、やはり躊躇しますよね。
しかし、公開しないと宣伝の難易度が高くなってしまうので、悩ましい問題です。
また住所を公開したとしても、店外・店内での情報発信もテナントに比べて難しさがあります。
例えば、テナント店のように看板や外観でサロンの雰囲気を演出できていない店舗は多く、お店があることすら気づいてもらえないケースも少なくありません。
また店内においても、やはりテナント店と違いスペースに限りがあるので、お客様の目に留まる箇所へ適切にPOPやポスターを設置できていないことが多いのです。
ただ、単価を上げたり、リピートにつなげるためにはメニューや商品の訴求・キャンペーン告知が重要。
自宅で開業を検討している場合は、店外・店内において「情報発信」が効果的に行える環境を整えるようにしましょう。
テナントで開業する場合
テナントで開業する場合、「どのようなターゲット層を想定するか」によって、お店を開く場所や地域も変わってきます。
すでにターゲット層が決まっていて、物件を探すだけという段階にあるのであれば、サロン経営を許可してくれる賃貸物件を探してみましょう。
テナントで開業する場合のメリット
1.仕事とプライベートを分けられる
自宅で開業する場合は生活拠点に仕事場を設けるので、オンとオフの切り替えが難しくなってしまう可能性があります。
その点、テナントを借りて開業する場合は、仕事と私生活にメリハリを付けることができます。
2.ターゲット層にあった場所と地域で開業できる
自店舗に呼び込みたい顧客が集まる立地を狙って開業することができるため、
店舗のコンセプトや想定するターゲット層に合った営業をすることができるようになります。
3.エステ用機器や備品を決まった場所に置いておくことができる
機器や備品はどうしても場所をとってしまいます。
スペースを確保することで、常に安定したメニューをお客様に提供することができるようになります。
テナントで開業する場合のデメリット
1.賃貸であるため家賃がかかる
月々にかかるコストの中でも、その大半を占めるのが「家賃」です。
2.契約金が4ヶ月分ほど必要になる場合がある
エステを継続していくという意思を確認するため、大家さんがサロンオーナーに「契約金として家賃4ヶ月分」を請求する場合があります。
3.テナントを借りるための手間がかかる
いざターゲットのいるエリアを絞れても、好立地な物件がすぐに見つかるとは限りません。
また、見つかっても借りるまで多くの手続きと時間が必要になります。
出張サロンとして開業する場合
「出張サロン」はお客様が指定した場所で施術を行うため、場所を選ばない経営ができます。
その反面、その都度対応するお客様によって施術法が異なるため、幅広い層に好まれる施術法や接客の仕方など、柔軟性が問われます。
出張サロンとして経営するメリット
1.家賃や手間がかからない
依頼先から指定された場所を利用するので、開業場所を選ぶ手間や開業場所にかかる費用が省けます。
2.ひとつの場所に縛られない働き方ができる
フレキシブルな働きかたができることによって、出張先へ出向くことは一種の刺激にもなり得ます。
3.ご高齢の方やハンディキャップがある方など、来店が困難な方にも施術ができる
経営者からお客様の元へ伺うスタイルなので、お体の不自由なお客様にも施術を受けて頂くことができます。
出張サロンとして経営するデメリット
1.時間調整・スケジューリングに手間がかかる
お客様によって指定場所や移動時間が違うため、時間の調整やスケジューリングに手間がかかってしまいます。
また、移動費も毎回違った金額がかかるので、集客の点において非効率になってしまう場合も出てきてしまいます。
2.大型の器具を必要とする場合、移動が困難
持ち運びが困難であるだけでなく、破損や故障のトラブルにも常に注意をしなくてはいけません。
特に痩身機器、脱毛器など高価な機械についは、保証内容を必ず確認しておきましょう。
3.訪問したお客様に合った施術法を用いられる柔軟性が必要
お客様の要望や適した施術は訪れた場所にいたお客様によって異なります。
そのため、常に臨機応変の対応が求められると言えます。
物件を選ぶ上での3つのポイント
1.開業する地域はターゲット層に合っているか?
例えばターゲットが「主婦」である場合、スーパーや商店街などの近辺に店舗を置くと良いでしょう。
買い物の途中で目に止めてもらえたり、話題になったりする可能性が高いです。
主婦が来店することを想定しているのに、オフィス街にお店を構えてしまっては狙ったターゲットが顧客としてつく可能性は極めて低くなってしまいます。
想定しているターゲットと立地条件が合致しているか?ということは経営を続けていく上でも非常に需要な要素です。
事前にしっかり確認しておきましょう。
2.予算にあった物件を選ぶ
場所選びも重要ですが、経費のほとんどを家賃に費やしてしまっては設備費や宣伝費が犠牲になってしまいます。
立地条件にとらわれすぎず、理想的なお店を作り上げていくことを第一に考え、予算内で納められる場所を選ぶようにしてください。
3.ライバル店の近くにお店を構えない
同じようなメニューを提供しているライバル店舗の近くにお店を構えてしまうと、後から参入した方が不利になってしまうこともあります。
店舗を置きたいと考えた地域や土地に、自分が想定しているターゲット層にヒットしそうなお店がすでにある場合、近隣に店を構えるのは避けましょう。
経営の秘訣は「人」にあり!
「サロンの個性を出すため」といって、ただやりたいことをやったり、メニュー数を増やしたりするだけではお客様の心を掴むことはできません。
成功を収める店舗とそうでない店舗の違いは、
- お客様との信頼関係を築けている
- ひとりひとりに合った施術を提供し続けている
- スタッフに絶えず活気がある
ということがポイントになってきます。
また、これらのポイントをクリアするためには高いカウンセリング力が欠かせません。
より掘り下げて解説していきます。
1.お客様との信頼関係を築けている
お客様がどんなことで悩んでいるのか、何を解決したいのかを把握し、
施術を受けることで得をするような内容のメニューを提供することが、お客様との信頼関係につながっていきます。
また、直接的なお客様とのやりとりだけでなく、
- お客様とのやりとりの中で得た小まめな情報のフィードバック
- 個人情報の管理
- 店内の清潔感、衛生管理
- スタッフ教育が行き届いているか
といったことも、信頼関係を築いていくためには大切な要素です。
お客様の意見には常に耳を傾け、良いところは伸ばし、悪いところは改めていくようにしていきましょう。
2.ひとりひとりにあった施術を提供し続けている
人間の体はコンディションが常に一定であるわけではありません。
体は日々変化していくので、お客様が抱える悩みも変化していきます。
その中で、お客様ひとりひとりに合った施術をきちんと行えるかということは、お店への信頼にも大きく関わってきます。
緻密なカウンセリングを行い、お客様の悩みに寄り添った施術ができるようにしていきましょう。
3. スタッフに絶えず活気がある
お客様だけでなく、スタッフへの配慮も忘れてはいけません。
長期・中期・短期での目標を具体的にし、スタッフの士気をあげることも経営の秘訣なのです。
スタッフが日々気持ちよく働き、目標に向かって努力を続けていくためには、スタッフをお店のファンにしてしまうことが理想です。
スタッフの活気はサロンの雰囲気が上がることにもつながり、お客様にもいい空気が伝わるので、
スタッフにとってもお客様にとっても特別なお店になれるよう、配慮していきましょう。
まとめ
エステサロン業界はエステの技術もさることながら、流行にあわせた経営スタイルなども日々変化し続けています。
技術や接客の基礎をしっかり固めた上で「自店舗をさらに盛り上げるには何が必要か?」について考え続け、
変化や新しさに対して恐れを抱かず、試行錯誤を続けていくことが大切なのです。
開業はゴールではなく、新たな目標に向かっていくためのスタートラインです。
常にトライ&エラーを繰り返していくことが、エステサロンを成功させる大きな秘訣ともいえるでしょう。