印象に残るお店に!エステサロンのキャッチコピーづくりのポイントを紹介


顧客となりうるユーザーの心を強く捉えるためには、印象的なキャッチコピーが必要です。

キャッチコピーの良し悪しによって商品やサービスのイメージが左右されたり、売れ行きが変わってきます。

しかし、”消費者の心を強くとらえる”のは簡単なことではありません。

インターネットが一般に普及した現在、あらゆる情報が出回っているため、インパクトのあるキャッチコピーでなければ人々の記憶に残らないからです。

一般に普及したという点では、同じくエステテサロンも当てはまります。

今回は競争が激しいエステ業界をモデルに優れたキャッチコピーを打ち出す方法を紹介していきます。


キャッチコピーのターゲットを考える

優れたキャッチコピーを考えるには、ターゲットとなる層のお客様を明確にする必要があります。

例えば30代女性にしても、OLか主婦かによってサロンに通う時間、回数も異なります。

まずどんなターゲット層にどのようになって欲しいのか、キャッチコピーの目的から考え、作成して行きます。

またキャッチコピーの種類には『イメージキャッチコピー』と『セールスキャッチコピー』の2種類があり、

サロンのことを多くの人に知ってもらいたいのか、商品やサービスを利用・購入してもらうかによっても作成方法は変わります。

まずはキャッチコピーの基礎から学んでいきましょう。

イメージキャッチコピー

イメージキャッチコピーは企業や商品をブランディングする文言です。

例えば以下のように「フレーズ」を聴くだけでイメージされるものがイメージキャッチコピーといいます。

  • 「まだ、ここにしかない出会い」(リクルート)
  • 「愛がいちばん」(アイフル)

イメージキャッチコピーの目的は企業や商品の存在を知って「親しんでもらう」ことです。

お客様の欲求が出た時に「そういえばあの会社・・・」「ところでこの商品・・・」といったように思い浮かぶような記憶に残るキャッチコピーのことをいいます。

セールスキャッチコピー

セールスキャッチコピーはマーケティングの文言です。

「○○ランキング第一位!」「○○人が愛用している!」など数値で示す謳い文句や、

消費者の心理を捉える文言によって顧客の購買意欲を高めようとするのがセールスキャッチコピーといいます。

セールスキャッチコピーの目的は人々に商品やサービスを購入してもらうことです。

イメージキャッチコピーのように大衆認知が目的なのとは違い、文言を見た人が思わず買ってしまう即効性が求められます。

実例としては、以下のようなものになります。

  • 「今日、ケンタッキーにしない?」(ケンタッキーフライドチキン)
  • 「3年連続!総合満足度No.1」(エン転職)

このようにキャッチコピーは目的が異なる二つの種類があります。どちらの手法が目的に近いかを選択してキャッチコピーを考えていきましょう。


優れたキャッチコピーの3つの特徴

親しみやすさ

聞いただけで企業や商品の名前が頭に浮かんだり、思わず口ずさみたくのが親しみやすい文章です。

キャッチコピーが親しみやすいと、その店舗やサービスも親しみやすく感じます。

その反面、理解しがたいキャッチコピーだと、店舗・サービスの周知には繋がらず、最悪イメージダウンになってしまう可能性もあります。

店舗の顔として『親しみやすい』キャッチコピーを付けたいものです。

極端に短い

街の広告や看板で目をひくキャッチコピーを思い返してください。

それらのキャッチコピーはどこか洗練されたイメージがあり、簡素にまとまっているものが多いかと思います。

かといって街の景観に染まっていません。

優れたキャッチコピーは、雑草の中に咲くタンポポのように存在感を放っています。

「一目で目につき、一目で分かる文章」こそが目指すべきキャッチコピーの特徴です。

逆に情報量が多いと、本当に伝えたい事が薄れ、印象に残らないものになってしまいます。

「もっと店舗の良さを知ってほしい」「少しでもサービスの特長を出したい」など、情報過多になる気持ちを抑え、

「この店舗は一言でいったらどんな店舗?」「このサービスは一言で言ったらどんなサービス」と”一言で伝える”意識を持ちましょう。

ギャップをつける

キャッチコピーは目的に応じて、前述の通りイメージキャッチコピーとセールスキャッチコピーの2種類があり、

それぞれの目的に沿ったギャップをつけることで魅力的なキャッチコピーが出来上がります。

例えば、

  • イメージキャッチコピーであれば「優しすぎる空手道場」
  • セールスキャッチコピーであれば「冷凍みかん」

など、もともとのイメージを覆すような意外性を加えると人々の記憶に残りやすくなります。

エステサロンのキャッチコピーの作り方

では近年競争が激しいエステサロンを例に、キャッチコピーを作る工程を紹介していきます。

自店舗を経営している人も、これから開業を検討している人にも是非参考にしてみてください。

情報収集

他の業種でも言える事ですが、まずはエステサロンの情報を集めましょう。

自店舗も踏まえ、競合となる店舗の施術内容やサービス体制までなるべく詳しく調査します。

開業前であれば、いろんなエステサロンに足を運ぶことをおすすめです。

今では口コミやSNSで簡単に情報を手に入れることはできますが、エステサロンは接客業です。

直接人と接することでより具体的に競合店舗の強みも知ることができます。

顧客目線で考える

次に、自分が顧客だったらどんなエステサロンに通いたいかを考えましょう。

「丁寧な接客をするスタッフがいる」「資格をもったエステティシャンがいる」「価格帯が安い」「女性だけしかいないエステサロン」など色々挙げられると思います。

インターネットの口コミを調査するのも良いですが、あらゆる顧客の視点から、どんなことがメリットになるか具体的に考えましょう。

ターゲットが絞られているのであれば、メリットを具体的に想像できるキャッチコピーがつくれるはずです。

自店舗の強みを知る

競合の調査と顧客目線で考察したあとは、自店舗の強みを知ることです。

すでにエステサロンを開業している人であれば、利用してくれた顧客にアンケートをとってみるのもいいでしょう。

自店舗の良い点や悪い点は実際に顧客に聞いてみないと分からないものです。

店舗を選ぶ際に何を重視している点や、様々なエステサロンを利用しているお客様には、他店舗と自店舗の相違点を聞いてみるのもいいでしょう。

「接客態度がいいから」という理由で来店しているお客様の心情を無視して「この辺のエステサロンは価格が高いから、うちは値段を安くしよう」と人件費を削った挙句、

スタッフのストレスが溜まり接客態度が悪くなってしまっては本末転倒です。

お客様からのフィードバックをいかして、自店舗の強みをキャッチコピーに取り入れましょう。

美容系キャッチコピーの実例

ここからは実際にどんなキャッチコピーがお客様の心を掴んでいるのか、実例を挙げてみます。

イメージキャッチコピー(フレーズを聞いただけで企業や商品をイメージできる)


■「初めての方にはお売りできません。」/ ドモホルンリンクル 再春館製薬所

かなり挑発的なフレーズですが、その分とても印象に残るキャッチコピーです。

「使ってみたいけど、どうしたら売ってくれるんだろう?」と考えた消費者が問い合わせ、

お試しセットを使ってもらうことによってリピーターを獲得しています。

■「理想があるから、ダンディハウス」/男性専門エステティックサロン ダンディハウス 2012年

理想の自分になる=ダンディハウスというイメージづけを狙ったフレーズです。

またキャッチコピーの中に企業名を入れることによって、存在を印象付けています。

セールスキャッチコピー(顧客の購買意欲を上げる)


■「START MUSEE~たった今からキレイになろう~」/ ミュゼプラチナム

キレイになりたい!という消費者の感情を呼びつつ、同時に「美容ならミュゼ」という印象づけを行うことで、

気軽にお店へ訪れられる安心感と施術の期待に繋げています。

■「大人になりたいか。おじさんになりたいか。」/ 大塚製薬 UL・OS(ウル・オス) 2015年

人生の中盤に差しかかった男性がターゲット層です。

男性であろうと女性であろうと、人は等しく年齢を重ねていきますよね。

印象を大きく左右する「肌」に注目するか否か、そしてどんな未来を選ぶかは自分次第である、というメッセージを込めることによって、

消費者の期待と購買意欲を呼んでいます。

■「敏感を愛そう。」/ freeplus フリープラス カネボウ化粧品 スキンケアブランド 2019年

このキャッチコピーは、「想定しているターゲット層」と「ターゲット層が持つ悩み」が明確です。

  • 想定しているターゲット層:敏感肌に悩む人
  • ターゲット層が持つ悩み:肌トラブルが起きやすく、解決する方法も分からない

男女問わず、お肌に関する悩みに多いのが「敏感肌」です。

健康な肌に比べて皮膚のバリア機能が低く、ほんの少しの刺激によって皮膚トラブルを起こしやすいことから、

敏感肌はネガティブなものと捉えられていました。
しかし、「敏感を愛そう。」というフレーズが、今までの悩みを解決できるかもしれないという期待を持たせてくれています。

その期待が、購買意欲につながっていくのです。

まとめ

今回は「キャッチコピーの作り方・コツ」をご紹介しました。

目的を明確にし、顧客の目線に立って短い文章にまとめる。

一見、簡単に聞こえるかもしれませんが、短い文章の中にインパクトをもつ文面を書くのは難しいですよね。

特に競争の激しい業界では、集客の施策をする企業がほとんどです。

その中でもキャッチコピーは企業の顔というべき存在。

キャッチコピーの良し悪しが集客率を左右するといっても過言ではありません。

ブランディングとマーケティングに有効なフレーズを的確にとらえ、キャッチコピーに取り入れてください。