【2020年最新】エステサロン開業に役立つ資格5選


近年、エステサロンの需要は増加傾向にあり、これからエステ関連事業を始めようとしている人も多いのではないでしょうか。

とはいえ、エステサロンの需要が高まったことにより供給も増えました。

今では町のあらゆるところにエステ関連の店が軒を連ねています。

競合が増えた分、エステへの知識や技術がないまま開業しても、遅かれ早かれ客足が途絶えてしまうでしょう。

それでは競合がひしめくエステサロン業界で戦っていくためには、どのような資質や資格が必要なのでしょうか?

今回はエステサロンで開業したい人のために、役立つ資格や免許等を紹介していきたいと思います。

エステティシャンには必須の資格がない

まず、エステティシャンになるために「必須な資格」はありません。

エステを独学で学び、自営から始める人が多くなったのは、資格や免許が不要であるのが原因だと言われています。

そのためエステティシャンによって技術のばらつきがあります。

技術を証明する資格がないからこそ、施術をしたお客様にはサービス内容で満足してもらうのが重要です。

特に美容に関するお客様の評価は非常にシビアと言われています。

さらにSNSが普及した現代では、マイナスな口コミがネットに上がってしまうとそのイメージを払拭させるのは困難です。

だからこそ、確かな技術を習得し、協会に認定されている資格を取得することが競合と差別化を図る武器となり、企業存続の要となるでしょう。


エステティシャンになるためには

資格が不要な反面、知識と技術がなければ市場で勝ち残るのは困難です。

エステティック育成学校やスクールがあるのでそこで技術や知識を身に着けるのが良いでしょう。

現在、日本全国にエステティック育成学校は150校以上あります。

実際にエステの現場を体験したり、OBと交流することのできる教育機関も多いので、

自身が開業する際により有益な情報や人脈を得られるのもメリットと言えます。

また実際に講師がついて指導してくれるので、資格や免許を取る目的としても最適な環境といえるでしょう。

主に以下のようなメリットがあります。

  • 専門の講師が指導してくれる
  • 認定校の場合、最新の技術や知識が得られる。
  • 専門教育でしか得られない国際ライセンスを取得できる

とはいえ独学では得られない経験や、講師からの指導がある反面、入学金や授業料、教材費等にお金がかかったり、

就業しながらの通学は難しいというデメリットがあります。

独学・通信教育で始める場合

まずは自分の本気度を確かめるために独学から始めるのも一つです。

エステサロンビジネスは主流になりつつあり、数多くの教材が書店に出回っています。

しかし、エステサロンの資格は難易度が高く独学で取得するのはかなり難しいと言えます。

そこで、近年ではインターネットを使った通信講座も行われています。

時間のない社会人や家事、育児に追われる主婦の方でも無理なく学べる事ができます。

通信は専門学校に比べて費用が安く、また場所に縛られず自分のペースで学べるのがメリットと言えるでしょう。

しかし、独学の分、学ぶことを半ば強制化していく専門学校に比べ、モチベーションの維持が難しいので、勉強の意思や意欲の高さが問われます。


エステサロンを開業するうえで役立つ資格とは

前述したとおり、現在、エステサロンを開業する際に必須な国家資格やライセンスがありません。

とはいえ、何らかの肩書を持っておくのは集客する上で重要でしょう。

実は、民間の団体が発行している資格はたくさんあります。その中で、顧客の安心感、信頼度を得るにはどのようや資格が役立つのでしょうか。

資格を認定している民間団体

まず、協会や民間団体が認定している資格はたくさんあります。

その中でも歴史が古く一般認知度が高い協会と言えるのが、一般社団法人であるエステ資格日本エステティック協会と日本エステティック業協会です。

それぞれの協会が認定する資格には特徴があり、同じ名称でも資格の所得条件が異なるものも。

まずはエステ資格認定の代表的な協会である「日本エステティック協会」と「日本エステティック業協会」はどんな団体なのか概要を説明します。


●日本エステティック協会(Ajesthe)

日本エステティック協会(Ajesthe)はエステティシャンの養成、教育、資格認定、関連団体との連携等を主に行っています。

1972年に設立はエステ業界の中では歴史が古く、10万名以上のエステティシャンが活躍しています。

「認定エステティシャン」をはじめ、フェイシャルやボディに特化した資格があります。法人会員数は130社、認定校数は約150校を誇っています。


●日本エステティック業協会(AEA)

日本エステティック業協会(AEA)は1987年に設立された協会です。

AEAはNPO法人日本エステティック機構設立に参画、日本エステティック振興協議会設立に参画するなど、エステ業界発展のために多方面に活動しています。

加盟しているエステティックサロンは965店舗にのぼり、認定校は58校と大きな規模を誇っています。



どちらの協会も古くからの歴史もあり、会員数も多いことから美容業界において厚い信頼が寄せられています。

ただし、日本エステティック協会は日本エステティック業協会よりも認定校数が多いです。

協会認定校での学習によって資格取得条件を得られる資格もあるため、通学を利用して取得を目指す場合は団体に認定されている学校を選びましょう。

エステサロン開業に役立つ資格5選

エステ開業する際にどんな資格がおすすめなのでしょうか。

ここでは、エステ業界で権威のある日本エステティック協会、日本エステティック業協会の2団体が認定している資格を中心にピックアップ。

それぞれの資格を取得する目的と価値を焦点にあて、エステティシャンのレベルにあった資格をステップ順に紹介していきます。


☆基本的な知識や実務が身についている証明「認定エステティシャン」

認定エステティシャンは日本エステティック協会や日本エステティック業協会が実施する試験に合格して得られる資格。

エステティシャンの基本的な知識や実務が身についている証明となります。

試験資格には協会が認定する美容学校・通信教育で300時間以上コースを修了するか、実務経験が一年以上必要です。

そのため認定校の学生の場合は在学中に、社会人の場合は一年の実務経験を経て取得するのが一般的。

エステティシャンを目指す学生や一般の方、サロンに入社したばかりの方におすすめの資格です。

■資格詳細/AJESHE認定エステティシャン

【認定協会】
日本エステティック協会

【内容】
エステティックの基本的な知識・技術をもち、サービスを適切に提供できる能力を証明する

【取得条件】
・協会が認定する美容学校か通信教育で最低300時間以上のコースを修了
・エステティシャンとしての実務経験1年以上 
※どちらか一方

【試験内容】
・技術力確認試験(手技によるファイシャル/ボディマッサージ)
・筆記試験(マーク選択式/100問)

■資格詳細/AEA認定エステティシャン

【認定協会】
日本エステティック業協会

【内容】
エステティックの基礎知識と技術を持ち、禁忌や注意事項を理解して安全な技術提供ができる能力を証明する

【取得条件】
・協会が認定する美容学校か通信教育で最低300時間以上のコースを修了
・エステティシャンとしての実務経験1年以上  
※どちらか一方

【試験内容】
・実務試験(手枝によるファイシャル/ボディマッサーゲージ)
・筆記試験(マークシート選択式/100問)


☆☆さらにエスティックの技術を磨き、プロになりたい方「認定上級エステティシャン」

日本エステティック協会、日本エステティック業協会が発行する認定エステティシャンの上位資格です。

両者、取得条件に知識・技術ともに大きな違いはありません。

エステティシャンとしては実践的に活躍できるレベルであり、独立・開業したい人におすすめの資格です。

■資格詳細/AJESHE認定上級エステティシャン

【認定協会】
日本エステティック協会

【内容】
専門的な知識・技術を有し、お客様ニーズに応えるエステティックサービスを提供することで店舗・サロンの利益やお客様満足を実現できる能力を有するエステティシャンに与えられる資格

【取得条件】
・認定校1,000時間コースを修了 、またはCIDESCO国際認定校コースを修了した人
・認定校300時間コースの修了者で、認定エステティシャン資格取得後2年以上の実務経験を有する人
・通算5年以上(認定エステティシャンの資格を取得していれば2年以上)の実務経験者で対策講座を受講済みの人      
※いずれか一つ

【試験内容】
・技術力確認試験(手技によるファイシャル/ボディマッサージ)
・筆記試験(マーク選択式/100問)

■資格詳細/AEA上級認定エステティシャン

【認定協会】
日本エステティック業協会

【内容】
フェイシャルとボディの総合的な知識と技術を持ち、エステティックトリートメントを技術的に熟知しているエステティシャンである証明。サロンの中核として実践的に活躍できるレベル

【取得条件】
・認定校1,000時間コースを修了 、またはCIDESCO国際認定校コースを修了した人
・認定校300時間コースの修了者で、認定エステティシャン資格取得後2年以上の実務経験を有する人 ・通算5年以上(認定エステティシャンの資格を取得していれば2年以上)の実務経験者で対策講座を受講済みの人
※いずれか一つ  

【試験内容】
・実務試験(手枝によるファイシャル/ボディマッサーゲージ)
・筆記試験(マークシート選択式/100問)


☆☆☆“プロ”のエステティシャンなら取得したい「認定トータルエスティックアドバイザー」

何年もの間、プロのエステティシャンとしての経験を持ち、幅広い知識を有している人がもつ資格です。

また試験期間が長く、一次試験受験から三次試験の合格発表までに9か月近くかかります。

難易度が高いことで有名で毎年多くの不合格者を出しています。

エステサロンにて高いポジションを目指す場合には、ぜひとも取得しておきたい資格であるといえるでしょう。

■資格詳細/AJESTHE認定トータルエステティックアドバイザー

【認定協会】
日本エステティック協会

【内容】
エステティックを総合的に深く理解し、お客様に求められる実践力とサロンでの指導力を有しているエスティシャンに与えられる資格

【取得条件】
・日本エステティック協会の正会員であること
・AJESTHE認定上級エステティシャン資格もしくはCIDESCO資格の取得
・AJESTHE認定上級エステティシャン資格取得後2年以上または通算5年以上の実務経験
※以上の条件を満たしていること

【試験内容】
・筆記試験10問(フェイシャル・ボディ各4問、会報誌より2問)60分間
・実技試験プレゼンテーション5分、ロールプレイング10分


☆☆☆☆品質が最も高く評価されている国際資格「CIDESCO」

CIDESCOは世界水準の理論・技術を兼ね備えたエステティシャンのみが得られる国際資格です。1972年に日本支部が加盟しました。

取得するにはBeauty Therapy Diplomaを取得し、その後Aromatherapy、Spa TherapyのDiplomaを取得することができます。

エステティックの知識・技術が世界水準にあることの証であり、エステティシャンのプロ中のプロがもつ称号です。

認定の証明として、プレートとステッカーが本部から送られ店頭に表示することができます。

■資格詳細/Spa Therapy Diploma

【認定協会】
CIDESCO-NIPPON(シデスコニッポン)

【内容】
総合的なスパトレーニングを受け、世界中のリゾートおよびデイスパで安心して安全に働くための知識と技術を身に着けたセラピストを保障するためのディプロマです。

【取得条件】
・CIDESCO Beauty Therapy Diploma保持者
・CIDESCO国際認定校にて最低180時間の所定のカリキュラムを修了した者

【試験内容】
・実技試験    
・筆記試験     
・「水と供給の管理」レポートおよびケースヒストリーの提出  (12例:3名のクライアントに各4回のトリートメント)


☆☆☆☆☆最上位資格「AEA認定インターナショナルエステティシャン」

数ある資格のうち、最も難易度が高いといわれているのがAEA認定インターナショナルエステティシャンです。

まず、資格取得条件までに長い道のりがあります。

さらに技術だけではなく、知識・理論・対応力などすべてにおいて卓越した能力を求められます。

数ある資格に比べて、最も価値があり、信用が置かれる最高クラスの資格です。

合格率は認定トータルエスティックアドバイザーに比べ、低く実務試験合格率は59%。

約半分の受験者が不合格となっています。

資格難易度と資格の希少性を考え、このようなランク付けにしました。

エステティシャン歴が10年の人でもAEAインターナショナルエステティシャンを取得するのは容易なことではありません。

エステサロンを極めたことを証明する資格です。

■資格詳細/AEA認定インターナショナルエステティシャン

【認定協会】
日本エステティック業協会

【内容】
多くの技術経験の上で技術的にも理論的にも熟知し、幅広い視野と柔軟な対応力で様々なコース提案ができ実践できるエステティシャン

【取得条件】
・AEA上級認定エステティシャン資格を保有し、フェイシャル・ボディに関して5年以上の実務経験がある方
・AEA上級認定エステティシャン資格を取得してから、フェイシャル・ボディに関して2年以上の実務経験がある方
・フェイシャル・ボディに関して養成校の1,000時間相当の教育を受けたエステティシャンで、国際資格または同等の国内資格を保有し、かつ、5年以上の実務経験がある方

【試験内容】
・ボディシート・カウンセリングの理論(口頭試間を含む)
・ボディ実技試験の注意事項
・実技演習

まとめ

繰り返しになりますが、エステティシャンになるための必須資格はありません。

だからこそ競合他社との差別化を図るために自分のレベルにあった資格や免許を取得するのが重要です。

資格には、認定エステティシャンからAEA認定インターナショナルエステティシャンまで、レベルや用途に応じて様々な種類が存在します。

意外と知られていないエステ業界の実態に驚いた方も多いではないでしょうか。

今では自宅をエステサロンにして生計を立てている主婦の方や、在学生が趣味の一環としてエステサロンを開業したという例も出ています。

こうしてみると簡単に開業できる印象を受けます。

しかしお客様を集客し、さらにはリピーターになってもらうには『エステの質』が大事になってきます。

どれだけエステサロンの内装をこだわっても、公式サイトをおしゃれにしても、お店を訪れたお客様が満足できなければ意味がありません。

だからこそ資格をとる、とらない関わらず、エステサロンを目指すなら向上心をもってスキルを磨きましょう。

また、資格取得以外にも自分の『強み』を活かすことも集客向上に繋がります。

資格がなくても接客態度が良く、丁寧な施術を行うエステティックには必ず人気はついてきます。

一方、難易度の高い資格を持っているからといってお客様への態度が悪ければ、客足は遠のいていきます。

このように「戦い方」はたくさんあります。

自分の『武器』は何なのかを見極め、さらに『顧客の視点に立つ』ことでお客様に愛されるエステサロンを創り上げることができるでしょう。