脱毛サロンをやりたい人必見!エステティシャン専門学校で取得できる脱毛の資格
女性が開業する業態として人気の「エステサロン」。
業界の就業者の9割以上が女性で、また2019年時点での店舗数5,148店のうち2471店舗が個人事業。
これらの数字を見ても、女性が個人ではじめやすい事業であることを示していますね。
中でも脱毛は自然な美をつくりだすものとして、世の女性から多くの支持を得ている需要の高い分野です。
実際に脱毛施術を行うサロンも多く、(株)矢野経済研究所による調査では2018年度のエステティックサロン市場規模が3,587億円の見込みですが、
ライズネット(株)の調査では脱毛の市場規模が1,750~2,750億円ほどとなっており、
脱毛関連市場がエステティックサロン市場で大きな割合を占めていることがわかります。
そんな脱毛サロンを、イチから学んで開きたい!と考えている方にとって、
まず最初の選択肢として上がるのがエステティシャン専門学校への進学ではないでしょうか。
しかし、どんなことを学べて、どんな資格が取得できるのか、そもそも専門学校に通う必要はあるのか、疑問に思う方もいると思います。
そこで今回は、今後脱毛サロンを開業したい人に向け、専門学校で取得出来る脱毛の資格やエステ開業の条件についてお話しします。
脱毛サロンの開業に、資格は不要!
実は、脱毛サロンを開業するために必要な資格や免許は定められていません。
脱毛を行うには美容師のような国家資格も、必要な学歴も年齢制限もなく、どこかに登録する義務もないのです。
そのため、美容業界での経験が無くても開業すること自体はできます。
しかしながら、美容への興味や技術に対するこだわりが無ければ長くサロンを続けていけるかは難しいでしょう。
開業のための法的な縛りが無いからこそ競合も多く、開業する人の自主的な努力や意識が必要なのです。
一方で、脱毛における施術行為に関する資格や取り決めはあります。
厚生労働省によると、医師法に基づいた原則として「医師の資格が無いものは業務としての脱毛行為が出来ない」とのこと。
実際に、過去には医師の資格を持たないまま業務としての脱毛行為を行い、医師法違反により逮捕者が出たこともあります。
しかし、全ての脱毛サロンにおいて医師の資格を持った施術者により脱毛行為が行われているわけではありません。
一般的な脱毛サロンが医師法違反とならずに営業を行うためには下記の2つのポイントが挙げられます。
- レーザー光線またはその他の強力なエネルギー光線を使わない。
- 毛乳頭、皮脂腺開口部などを破壊する行為を行わない。
以上2点を遵守すれば、医師免許の資格がなくても脱毛エステサロンで脱毛の施術行為をすることが可能です。
エステティシャンの専門学校で取得できる有利な資格
信頼度アップのために『あると有利な民間の資格』
認定美容ライト脱毛エステティシャン ー 一般社団法人 日本エステティック振興協議会
安心・安全はもちろん、良質な美容脱毛サービスを提供できるように設立された認定制度です。
美容電気脱毛に関する専門的な知識と技術を持ったエステティシャンとなることができます。
この資格を取るためには筆記試験と実技試験が必要です。
実技試験ではエステティシャンとしての身だしなみ、消毒衛生、脱毛技術などを試験官がチェックし、一定の基準を満たした方が合格となります。
CPE(認定電気脱毛士) ー 一般社団法人 日本スキン・エステティック協会
TOEFLなども実施しているアメリカの公共試験開発機関、E.T.S.が行っている資格試験です。
この資格を取るためには筆記試験と実技試験の2通りありますが、筆記試験は毎年行われるものではないので、実技試験を選択する受験生が一般的です。
実技試験では、身だしなみから接客態度、器具の取り扱いまでを一通り実演し、試験官のチェックにより一定の基準を満たせば合格となります。
筆記試験では、人体の生理学から感染のリスク、脱毛機器の操作に関する知識、職業倫理や法律などの6分野について問題が出されます。
CPE資格の有効期間は5年間です。その5年の間に75時間分のセミナーを受けるか、5年後に試験を受け直すことで資格が継続される仕組みとなっています。
こちらは取得及び維持をする上でかなり難しい資格です。
だからこそ、CPEの資格を持っているスタッフはスキル面でかなり信頼のおける存在と判断されます。
美容脱毛士 ― 一般社団法人 日本脱毛安全普及協会(JESA)
エステティシャンとして、安心と安全を意識した連写式脱毛施術の提供ができるように一定の技術や知識の基準を設けた検定資格となります。
脱毛機器の正しい使い方だけでなく、
毛の成長サイクルの把握、脱毛機器の正しい選定、お客様の肌質の見極め、脱毛に付随する美肌ケアなど様々な技術を修得したものに与えられます。
ブラジリアンワックス認定講師資格 ― 日本ブラジリアンワックス協会(JBWA)
ワックス脱毛サービスを安全に提供できるよう、
正しく安全な知識のもと『情報』『技術』『商材』を一定基準以上把握しているかを判断する資格となります。
その他様々なワックスを用いた脱毛エステ技術の習得を確認します。
消毒衛生のあり方から脱毛の定義や技術をマスターすることで、ワンランク上の脱毛エステサロンとなるでしょう。
上記4点がエステティシャンの専門学校で取得できると言われている資格になります。
しかし学校によってそれぞれ特色があるため、これらの資格を扱っていない場合も。
その際は最も取りたい資格を優先して入学の目安としましょう。
また、上記のような資格は取得にあたり実務経験を求められるものもありますが、
該当の資格取得のためのカリキュラムを組まれた専門学校で学ぶと、実務経験を免除される場合がほとんどです。
資格は時としてサロンの信頼度を高めるものになります。
そのため、専門学校に通い資格や知識を得る事は有効な手段と言えるでしょう。
その他の資格
簿記検定やエステの総合的な資格を取っておいても損はありません。
特に個人経営をする上では、確定申告など経理の面で、簿記の知識はつけておくと良いでしょう。
確定申告では、青色申告という書類の届出ができ、毎年で最高65万円の免除や最高3年までの税金を免除してもらえるメリットがあります。
しかし、作成に簿記の知識が必要。
もちろん知識を持った人間を雇うのも一つの手段ですが、経営をする上で簿記の知識自体は一年を通して常に使える武器になるので、
このような資格ないし知識は身に着けておくと良いでしょう。
最短で実務レベルのスキルを習得するには?
ここまでご紹介した資格は、取得に専門学校での就学が必須なわけではありません。
また、脱毛における資格はあくまでスキルの裏付け。
近い将来の開業を検討しており、最短で実務レベルのスキルを身に付けたい、という方は、専門学校以外の選択肢を検討してもよいでしょう。
その選択肢として、代表的なものを紹介していきます。
通信講座を受ける
エステティックの知識や技術を学ぶ方法のひとつに、「通信講座」があります。
現在就業中、あるいは育児中など、最短でスキルを身に付けたいが時間に余裕がない、という方は、
自身の都合に合わせて学ぶことができる通信講座を検討するのも選択肢のひとつです。
日本エステティック協会の認定エステティシャン資格に対応した通信講座などがあり、
指定のカリキュラムを修了し試験に合格することで資格の取得もできます。
自宅学習がメインになるほか、技術習得のためのスクーリングも必要になるケースがあります。
スクーリングの日程や会場は、通信講座を実施するスクールによって異なります。
受講前に必ず確認し、スケジュールを組むようにしてください。
開業支援として研修を受けられるフランチャイズチェーンに加盟する
フランチャイズとは、フランチャイズに加盟する人・法人が本部からお店の看板やサービス・商品を使う権利を受け取り、
その対価をフランチャイズ本部に支払うという仕組みです。
フランチャイズチェーンに加盟すれば、ビジネスをおこなっていく上で必要な要素をはじめ、
開業に向けてのマーケティングから、経営・運営の面でサポートを受けられるようになります。
またエステサロンのフランチャイズチェーンの中には、開業支援の一環として技術研修を受けることができる加盟先もあります。
未経験からの開業もイチからサポートしてくれるので、スキルを最短で身につけて開業したい方は選択肢の1つとしてもよいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
施術の内容によっては資格が必要になったり医師法が適用されるものもありますが、
基本的に脱毛サロンを開業するにあたって必須の資格というものはありません。
今回ご紹介した資格は、専門学校などで学びながら取得することができ、一定のスキルと知識があることを証明できる資格や、サロン経営に役立つ資格です。
これらの資格を取得すれば「資格取得者がいるサロン」としてお客様の信頼を得やすくなったり、競合サロンとの差別化をはかることができるでしょう。
とはいえ、エステティシャンを志す人にとって最も重要なのは「スキルを身につけること」です。資格の取得はエステティシャンとしてのゴールではありません。
資格取得に向けた勉強には、目標設定が明確になったり、学習のペースコントロールができるというメリットがあるため、
取得によって、結果的にお客様に満足していただけるエステティシャンに近づくことができると言えますが、
あくまでゴールは「スキルの習得」として学習の選択肢を広げるのがベストです。
開業に必要な技術や知識を得るためには、専門学校で学ぶだけでなく、
通信課程を受講する、フランチャイズの開業支援を利用するという選択肢もあります。
サロンの開業を考えている方の中には、「働きながら学びたい」「育児をしながら学びたい」という場合も多いはず。使える時間と労力に合った学習方法を検討してみて下さい。