自宅やテナントを借りて新規開業!エステサロンメニュー作りのコツ
エステサロンの経営を成功させるためには”独自性”が重要です。
他店と似たようなメニューやサービスを提供する場合、どうしても価格競争になってしまう可能性があるからです。
その為、他のエステサロンとの差別化を図る手段として、他店と異なる”付加価値あるメニュー作り”を行うことが非常に大切です。
では、どのようにメニュー作りを行えば
お客様に広く受け入れられ、また差別化が出来るのでしょうか?
この記事ではメニュー作成時のポイントと注意点を詳しく紹介していきます。
すぐにお店で行える差別化方法とは?
価格競争を避けるためには、オリジナリティがある付加価値を考える必要があります。
付加価値は施術メニュー以外にサロンの雰囲気や接客サービス、使用している化粧品の質などによって左右されます。
すぐにお店で行える差別化方法として
基本となるメニューに、期間限定の施術内容や商品を組み合わせることで、特別なコースを提供するがオススメです。
季節に応じて肌やカラダの状態、求めるニーズは変化します。
正しいニーズを理解し、季節や時期に合わせた適切なメニューを提供することで、お客様の課題解決に繋がります。
お客さまの悩みに感じていた課題を解決することで、料金以上の価値を感じてもらえます。
そうなると、リピーターや口コミによる新規来店をいただける確率が高まります。
メニュー設定における5つのポイント
メニューを考える際に重要なのは施術内容を明確にする事です。
施術内容が分かりづらいと、自サロンでどんな悩みが解決できるのか、お客様に伝える事はできません。
またお客様にあったメニューを提案する際に選択肢が多いと、お客様もですが、店員もどれを提案すればいいか悩む原因となります。
結果、ターゲットのお客様に来てもらえなくなる可能性も。
メニュー作成は集客の第一段階ですので、次章から紹介する作成時のポイントを参考に設定していきましょう。
ポイント①自店の強みを明確にする
メニューの策定にあたり、まず軸とするのは自店の強みやコンセプトです。
店舗を構える地域の年齢別人口や所得別人口などを踏まえてターゲットを設定し、その層に刺さる強みを定めましょう。
人気のエステサロンのメニューを真似するだけでは価格競争となってしまいます。
周囲の店舗と被らないようにコンセプトを掲げ、独自性のあるメニューを打ち出すことが、集客力とリピート率を高める秘訣です。
ポイント②ライバル店のメニューをチェックする
自サロンと似たメニューを提供するライバル店が近くに多数ない立地に店舗を構えるのは開業時の基本。
店舗を構える立地やコンセプトが定まったら、周辺にライバル店となりそうなお店がないか確認しましょう。
もしライバル店があれば『どんなメニューをそろえているのか?』『メニューに対して価格設定はどうか?』を調査し、
自サロンの強みを磨き上げる必要があります。
ポイント③メニューを増やすのであれば、その目的が明確であること
他店に比べてメニューが少ないから増やすというのは、失敗するパターン。
メニューによってはサロンのコンセプトやターゲットから外れたものもあります。
選択肢が多くなる原因となるので、サロンメニューを増やす際は必ず目的を明確にし、
かつ施術をするスタッフの技量に見合った内容を構築していくのが良いでしょう。
ポイント④確固たる『スキル(特にカウンセリングスキル)』があること
サロン経営を継続していくためには『スキル』と『接客』が最も重要。
お客様がどんな悩みを抱えてサロンに来たのかを引き出すことで最適なメニューを提案できます。
カウンセリング力はもちろんですが、メニューにいくつかの選択肢があれば柔軟な提案もできるため、
なるべくお客様の立場に立ってメニュー作りをしましょう。
ポイント⑤お客様の選択時の迷いを払拭できる魅せ方をできること
メニューが豊富だと魅力的なサロンに見えますが、複雑になってしまっては迷ってしまうだけです。
前述した通りどのような悩みを持ったお客様に、どのメニュを提供すればいいかを明確に把握しておくことが重要です。
迷いがなく、かつ悩みに適した施術をスムーズに提供できればサロンのリピート率も上がるでしょう。
料金設定の流れ
メニューの内容が決まったら、続いて価格設定。
施術する客数、経費、求める利益(収入)を踏まえて客単価を設定し、メニューの価格に落とし込む流れとなります。
1ヶ月の顧客数はどのくらいを目安にするか
スタッフ数、店舗の広さ、売り上げ目標を考慮した上で、1ヶ月に何人ほどを相手に施術できるかを算出しましょう。
そのためには1日あたり何人施術できるかを、基準となる一連の流れをもとに算出します。
- ご来店
- カウンセリング
- 着替え
- 施術
- アフターカウンセリング
- 退店
以上を踏まえた上で、月に何日営業できるか、1ヶ月の顧客数はどのくらいになるかを割り出します。
計算式:1日の顧客数 × 1ヶ月の稼働日数 = 1ヶ月の顧客数
【補足】お客様を1人ずつ相手するのに2時間、実働時間を8時間、週に5日の営業、月に20日営業とした場合。
1日4人 × 月に20日=80人
よって80人が1ヶ月に施術できる顧客数の目安です。
一人当たりの原価・経費を計算しておく
オイル・クリーム・タオル・洗剤・サービスドリンク・紙ショーツなど、
消耗品を含めコストが掛かる部分が多いので、
お客様一人あたりどのくらいの経費がかかるかを計算しておくことも重要です。
メニューの客単価を計算し、各メニューの価格に落とし込む
【一人当たりの利益の計算方法】
1ヶ月に欲しい収入 ÷ 1ヶ月の顧客数 × 70%(※)= お客様一人当たりの利益
※1ヶ月の予約がMAXで埋まる可能性は低いため、70%が埋まった場合での算出です。
例えば、1ヶ月に50万円収入が欲しいとした場合、50万円 ÷ 80人 × 70% = 8,928円 が1人あたりの利益となります。
そこから客単価を割り出します。
【単価の計算方法】
(一人当たりの原価 + 一人当たりの経費 + 一人当たりの利益額)= 客単価
例えば、お客様一人あたりの原価が4,000円、お客様一人あたりの経費(水道光熱費など)が3,000円、お客様一人あたりの利益が8,928円の場合、
4,000円 + 3,000円 + 8,932円 = 15,932円 が1人あたりに設定したい客単価となります。
各メニューの価格は、ここで設定した客単価を基準に設定するのがおすすめです。
相場があまりに客単価を下回っている場合は、他メニューと合わせて提案する、
あるいは組み合わせたプランを用意しておくなどの工夫をすることで、
利益に繋がる価格設定としていきましょう。
実は失敗につながる!メニューの価格設定パターン
その1:相場に合わせている
自店舗がある地域やその土地に住むターゲットの年齢層などから、周辺エリアの相場が算出されます。
しかし、相場と同程度、または相場よりも安くメニュー価格を設定するパターンは失敗に繋がる可能性があります。
他店より安く、高品質であることはお客様にとって魅力的。
しかし、安価にしすぎて利益が減り、経営が難しくなってしまっては本末転倒。
自サロンならではの魅力を伝え、高単価でも「ここに通いたい」と思ってもらえるようなメニューと価格設定をしていくことが重要です。
その2:お客様の立場になって考えすぎている
「自分がお客様の立場だったら」を主軸に考えると、どうしても安い料金で満足度の高いサービスに…という思考になってしまいます。
もちろんお客様の立場になることも重要。
ただ価格ではなく、お店の内装や、スタッフの対応の仕方などを考える際の主軸とするのが良いでしょう。
その3:施術時間から価格設定をしている
例えば『90分の施術=1分当たり100円として9,000円』という時間単価で考えているパターンです。
そもそも施術時間はお客様の肌の状態や毛の性質によって変わるものです。
時間単価を基準にすると、施術が早く完了するお客様、遅くなる客様によってサービスの満足度の差が出てしまいます。
施術時間による価格設定も、避けるようにしましょう。
正しい料金設定とは
価格設定の際「価格が高いとお客さんがこないのでは?」と不安に感じる人が多いようですが、
留意しておきたいのは、人は価格に見合ったサービスに納得するということ。
価格を下げてお客様を増やすのは、広い視点で見たとき、”サロンの価値”を落としかねません。
自分が納得できる施術を提供し、自信をもって、その価値に値する金額を提示することが重要なんですね。
例えば、価格が安いだけで信頼や愛着を持ってもらう事は難しく、
一方で、自サロン独自の価値を理解してくれるお客さまは、リピーターになってもらえる確率が高くなります。
安くした方が良い、高くした方が良いというのはサロンのコンセプトやターゲットによって変わってきますが、
差別化戦略を念頭に置いて、自分が納得できる価格設定でメニューをつくりましょう!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
エステサロンを成功させて長く経営していくためには、メニュー作りがとても重要です。
同じクオリティの施術でも、メニューの設定の仕方によってお客様の満足度に大きな差が出てきてしまいます。
重要なポイントは、メニュー作りは価格設定だけではないということ。
お客様は、美容に関する悩みを解消するためにサロンに足を運びます。
「このメニューを受ければ悩みが解消される」と思ってもらえるようなメニューにすることが大切なのです。
施術にかかる経費や利益率もきちんと考えながら、わかりやすくオリジナリティのあるサロンメニューを作っていきましょう。